高齢者のための治療と生活

11月30日(土)14:0015:30 A会場

高齢者のフレイル・サルコペニアについて
仲里 朝周

高齢化医療において、フレイル(虚弱)は大きな問題となっています。高齢者のフレイルは身体的フレイル、心理的フレイル、社会的フレイルの3つに分かれますが、今回の講演では身体的フレイルで最も問題となるサルコペニア(筋肉量の減少)についてお話をしたいと思います。サルコペニアは治療成績や予後にも影響を与えるため、栄養やリハビリテーションにより予防することが重要となります。

がん療養におけるリハビリテーションの重要性
市川 雄大

高齢社会を背景にがん患者さんへのリハビリテーションの重要性は高まっています。がん療養中はがんそのものや治療の影響で体力が低下します。リハビリは治療と並行して行い、体力の維持や改善、二次的問題を予防する目的で行われます。本講演はなぜリハビリが必要なのか、そして具体的になにをするのかをご紹介致します。

高齢者のがん治療選択~あなたはどうしたいですか~
秋山 典子

がん治療選択においては、自身の身体的・精神的・社会的状況が、想定されるその治療に耐えられるかどうかが一つのポイントとなります。日本では一般的に65歳以上が高齢者といわれていますが、実年齢からではなく、自分はどうしたいか、何が大切かという意味も含めて、家族とともに治療選択を行っていくことの大切さを考えたいと思います。

講演者

仲里 朝周 ( なかざと とものり )
横浜市立市民病院 副病院長・血液内科長

神奈川県藤沢市生まれ。1995年慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学血液内科入局。2006年から横浜市立市民病院血液内科に勤務。骨髄バンク、臍帯血バンク移植認定施設であり造血幹細胞移植に従事しつつ、高齢の患者様にもお一人お一人に適した優しい医療を実現できるよう日々取り組んでいます。

市川 雄大 ( いちかわ たけお )
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 リハビリテーション部

1989年生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科修了。2012年虎の門病院入職、虎の門病院本院、分院回復期リハビリテーションセンターを経て現在に至る。がん、脳卒中、整形外科の患者さん等を広く担当し、特に血液疾患患者さんのリハビリおよび研究に注力している。脳卒中認定理学療法士、腎臓リハビリテーション指導士、日本栄養・嚥下理学療法学会評議員。第6回日本予防理学療法学術大会優秀賞。2児の父親。

秋山 典子 ( あきやま のりこ )
公立大学法人 横浜市立大学附属病院 看護部看護師・造血幹細胞移植コーディネーター

1992年埼玉医科大学短期大学卒業 埼玉医科大学病院勤務 1994年横浜市立大学医学部附属病院から現在の横浜市立大学附属病院にて勤務。急性期から慢性期の治療、小児から成人分野の看護経験のち、2019年認定造血幹細胞移植コーディネーター取得 現在内科外来看護師と認定造血幹細胞移植コーディネーター兼務