自分らしく生き方・治療を選択するためのヒント
焦りすぎず、自分のペースで、自分らしい選択を
山本 久史
「病気の現状や治療選択肢、予後などをしっかりと理解して,自分の価値観にあった最良な治療を選択する」そんなに簡単なことではありません。病初期など余裕がないときにはなおさら難しいでしょう、情報収集によりかえって混乱を招くこともあります。まずは、かかりつけの医療者に相談、よく会話をしましょう。本人の受け入れや選択には当然ながら時間が必要です。繰り返しの対話により自分らしい選択が見えてくることが多いです。
選択肢の情報を見極める
中山 和弘
重要な選択では、自分が選べる選択肢に何があるかと、それらに必ずある長所と短所の両方を知りたいものです。そのためには信頼できる情報(5つのチェックポイントの頭文字は「か・ち・も・な・い」)を十分理解できるようなコミュニケーションが不可欠です。
SDM(共同意思決定)アンケート調査結果から考える自分らしく治療と向き合うヒント
池田 明香
キャンサーネットジャパンでは現在、多発性骨髄腫の患者さんの治療環境向上を目的としたプログラムを実施しています。本年、共同意思決定(Shared Decision Making:SDM)に関する実態を確認するために実施したアンケート調査の結果を中心にご紹介します。
講演者
山形県生まれ。2001年に山形大学医学部を卒業。山形大学、県内の市中病院を経て、2006年に虎の門病院血液内科に赴任しました。血液疾患全般について診療を行っていますが、白血病や再生不良性貧血に対する同種造血幹細胞移植、特に臍帯血移植のより効果的で安全な移植方法の開発に力を注いでいます。患者さんとの対話を大切にし、一人ひとりにとって最良で安心な医療を提供できるように心がけています。
東京大学医学部保健学科卒業,同大学院医学系研究科博士課程(保健学専攻)修了.国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所流動研究員,東京都立大学人文学部社会福祉学科助手,愛知県立看護大学助教授を経て現職.研究テーマはヘルスリテラシー(健康情報を入手、理解、評価して意思決定する力)と意思決定支援(シェアードディシジョンメイキング:SDM)、著書:『これからのヘルスリテラシー 健康を決める力』(講談社、 2022年)
2004年看護師として虎の門病院に在職中に多発性骨髄腫を発症し、2008年に臍帯血移植施行。2006年より地元横浜で「はまっこ(多発性骨髄腫患者・家族の交流会)」を発足し、交流会や医療講演会を開催している。虎の門病院の院内患者・家族のおしゃべり会「ちゃとらClub」の世話人としても活動中。 2017年11月より現職。